※2025年11月28日のデータとなります。
こんにちは、億トレサラリーマンです。
株式市場には「国策に売りなし」という格言があります。政府が予算を投じ、制度を変えてまで推進しようとする分野には、必然的に資金と技術が集まり、大きな投資機会が生まれるという流れになりやすい傾向があります。今、その「国策」の最前線としてマーケットの熱視線を集めているのが、11月下旬に報じられた「国家戦略技術」に関するニュースです。
11月25日付の日本経済新聞の報道は以下の通りです。
政府は経済安全保障上の重要性が高い技術を「国家戦略技術」として新たに指定する方針を固めました。具体的には「AI・先端ロボット」「量子」「半導体・通信」「バイオ・ヘルスケア」「核融合」「宇宙」の6分野が対象となり、これらに対して研究予算の配分や税制上の優遇措置を重点的に講じるとされています。
さらに、読売新聞も27日付でこれに続く内容を報じています。
2026年度の税制改正において、経済産業省が要望する研究開発税制の拡充案が判明し、これら6分野への企業投資について、なんと投資額の最大40％を法人税額から控除することを柱とする方向で調整が進んでいるというのです。
最大40％の税額控除というのは、企業経営にとってかなり大きいインパクトとなります。当然、企業側もこの分野への設備投資や研究開発を加速させるでしょうしね。
これら6分野はいずれも将来的価値が高いものですが、億トレが今回注目しているのが、少子高齢化が進む日本において待ったなしの課題解決が求められる「ヘルスケア」分野です。単なる創薬やバイオテクノロジーにとどまらず、AIを活用して医療現場の効率化や質の向上を図る「ヘルスケアDX」は、まさに国策ど真ん中のテーマと言えるでしょう。今回は、この大きなトレンドのなかで、独自の立ち位置を築き上げている注目銘柄をご紹介します。
ヘルスケア関連の注目銘柄
▼SREホールディングス(2980)
東証プライム｜PER25.3倍｜PBR4.16倍｜利回り0.52％｜時価総額566億円
※2025年11月28日のデータとなります。
SREホールディングスは、AIとリアルビジネスを高度に融合させた「ライフテック」カンパニーです。不動産事業や金融事業という「実業」を手掛け、そこで得た膨大なデータと現場の知見を、AI・IT技術へと還元するユニークなビジネスモデルを構築しています。
同社の事業は大きく分けて二つ。一つは、業務支援型クラウドツールやDXソリューションを提供する「AIクラウド＆コンサルティング事業」。もう一つは、スマートプロパティの開発や投資を行う「ライフ＆プロパティソリューション事業」です。
同社がターゲットとしているのが、不動産、金融、そしてヘルスケアといった「規制が厳しく、実務が複雑な産業」であるという点です。一般的なIT企業が参入しにくいこれらの領域に対し、実業で培った深い業務理解を武器に切り込んでいる点こそが、他社にはない強力な参入障壁となっています。
ヘルスケアDXの最前線
同社は、不動産や金融で培ったAI・DXのノウハウを、急速にヘルスケア領域へと横展開させています。
日本の医療現場は今、深刻な人手不足と高齢化による需要増という「2025年問題」の只中にあります。ここで求められているのは、画期的な新薬だけでなく、日々の診療業務を効率化し、医療従事者が患者と向き合う時間を創出するための仕組みです。
SREホールディングスはこの課題に対し、全国約10万施設あるクリニックを対象とした「クリニックDXソリューション事業」を展開しています。予約、受付、問診、電子カルテ周辺業務など、多忙な医療現場のフローを熟知した上で、業務効率化ツールや経営管理ダッシュボードを開発・提供しています。
注目すべきは、戦略的な事業拡大のスピードといえます。
同社は医療関連のITソリューションやデジタルマーケティングに強みを持つ「メディックス」を子会社化しています。これにより、SREが持つAI技術と、メディックスが持つ医療現場へのチャネルやマーケティング力を掛け合わせる体制が整ったと言えるでしょう。
また、複数施設を運営する大型法人との契約も進んでおり、AIによる需要予測や業務最適化など、実利に直結するソリューションが評価されています。
大幅増収増益と業績は絶好調
2025年3月期の業績は絶好調。
売上高は前年同期比10.2％増の266億9000万円、営業利益は前年同期比40.5％増の31億700万円と、驚異的な伸びを見せています。経常利益も41.1％増、当期純利益も22.3％増と、全ての利益項目で大幅なプラス成長を達成しています。
この高い利益成長率は、同社のDXソリューションが高付加価値であり、市場から強く求められていること表れだと思います。
国策の追い風を受ける「ヘルスケア」領域に注目
政府が本腰を入れて推進する「国家戦略技術」の6分野。その中でも、私たちの生活に直結し、かつ巨大な市場規模を持つヘルスケア領域は、今後数年にわたり株式市場の主要テーマとなる可能性を秘めています。
その中でも、SREホールディングスはポートフォリオに組み入れる価値は十分にある銘柄だと思います。税制改正や政策予算が具体的に動き出し、市場の評価が定まってしまう前に、今のうちからウォッチリストに入れておくことを強くおすすめします。
※あくまでもこの記事は億トレの個人的な予想と見解で記述してあります。投資の際にはご自身の判断で余裕資金内で行ってください。
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